特殊鑑定
通常の親子鑑定は関係者の口腔内粘膜を採取し、親子関係の存否を判断します。
しかし関係者の一人が遠方に住んでおり同席できない、既に死亡しているなど、何らかの事情により粘膜の採取ができない場合もあります。
そういった状況に用いられる鑑定方法が「特殊鑑定」。
口腔内粘膜ではない、他の遺伝子サンプルを使用して鑑定を行います。
対応可能な特殊鑑定
弊社で対応可能な特殊鑑定は以下の通りです。
- へその緒
- 毛根付き髪の毛
- 精液
- 排泄物
- 毛幹(毛の部分)
- おむつ(紙・布)
- 骨
- 歯
- 衣服に付いた体液・血液(染み)
- チューインガム
- タバコのフィルター
- ホルマリン液に固定されパラフィンブロックに埋め込まれた組織
- 舐めた封筒 / 切手
- 物(ガラス・歯ブラシ・かみそりの刃)
- 脳脊髄(せきずい)液
- 新鮮凍結組織
- 血漿(けっしょう)
- 涙
- FTA / IsoCodeカードで付着した口腔粘膜
- FTA / IsoCodeカードの上の血斑(けっぱん)
片方は上記の特殊サンプルを用い、もう片方は通常の口腔内粘膜を利用するのが原則です。
また、上記の中では上から3段目までの「へその緒」「毛根付き髪の毛」「精液」をお問い合せいただくことが多いです。
それぞれをご利用される際の注意点についてご案内させていただきます。
へその緒
鑑定に当たって、へその緒全てを提供していただく必要はございません。
大き目の部位をカットし、遺伝子を解析いたします。
基本的に親子関係に関する遺伝子は長時間壊れずに現状を維持します。
そのため、数十年経過したへその緒でも鑑定は可能です。
なお、提供していただいたへその緒の返却はいたしかねます。
毛根付き髪の毛
「髪の毛」ではなく「毛根付き髪の毛」という点がポイントです。
というのも髪の毛部分では充分な遺伝子量を確保できないため、細胞がある毛根部分がどうしても必要なのです。
本数についても1本ではなく、数本ご用意いただくのが理想です。
DNA検査でよく使われるイメージが強い髪の毛ですが、実際には解析のハードルは高いと言わざるを得ません。
精液
精液を利用しての鑑定も可能ですが、そのためには活きの良い状態での提供が必要です。
生々しい話になりますが、性交翌日のコンドームを直接お持ちいただくのが一番です。
そういった時間的障壁はあるものの、遺伝子量は充分なため、解析には適しているサンプルです。
ご注意
特殊鑑定は、実際は誰から採取したものなのかはっきりと証明することが難しいため、公的書類としては通用しないことが多いです。
また、サンプルによっては解析が不可能な場合もございます。